年率10%越えの海外預金口座の営業が来たら何をすべきか?FPが解説
先日、弊社にある営業メールが届きました。「お客様の中で海外の銀行に口座を開設し、定期預金を利用したい方がいれば紹介してくれませんか?」といった内容です。
独立系FPとしてこういったお誘いを受けることはありませんが、この事例から有益な情報をお伝えできると考え、コラムにすることにしました。
医師の皆様においても、「高い利率の海外口座を開設しませんか?」といった営業を受けることがあると思います。そういう時に何をすれば良いかをご紹介していきたいと思います。
「なぜ?」という疑問を大切にしたい
今回案内された金利は、年率で10%を大きく超える水準でした。日本の銀行預金の金利を考えるとかなり高い水準ですよね。こうした水準を見ると「何か裏があるんじゃないか?」や「怪しい」と感じてそこで情報を遮断する方も多いと思います。実際必ずしも間違った選択ではないと思います。(今回の営業メールが怪しかったと言っているわけではありません)
しかし、せっかくなので、もう少し深掘りしていくことを考えたいと思います。
まず、こうした数字を見ると「なぜ、こんなに金利が高いのだろう」と気になる方も多いと思います。こうした「なぜ?」をもう少し探究すると今後の人生に役立つことも多いです。
医師のもとには色々な営業が入ってきますよね。不動産投資なども多いと思います。そういった営業を受けた時、「結局よくわからない」と感じることも多いと思います。
しかし、「なぜ?」をたまにでも探究しておくと、こういう場面に遭遇したときに、自分の判断基準をもって考えることができるようになります。実はこれかなり大きなことです。もちろん、その判断をサポートするのも我々FPの仕事ではありますが、先生ご自身でもこうした判断基準を当たり前に持てるようになることが理想だと考えています。
お金について考えるときは、例えば「利回りが高い」という一つの側面から判断してはいけないということはお伝えしたいと思います。
もう少し具体的に見ていきましょう。
「高金利」という情報だけでは何も判断できない
預金でも投資でも、条件が良い商品にはそれなりの理由があります。その理由が、どこにあるのかを確認することが大切です。
今回のように海外の銀行が関係する場合には、以下のような点を調べてみると良いでしょう。
- その銀行は実在するのか。
- どこの国の金融機関なのか。
- 現地の金融当局からどのような認可を受けているのか。
- 日本にいる人が、その銀行の預金口座を開設する仕組みはどのようになっているのか。
- 手続きを仲介する会社は、どのような立場なのか。
- 預金の保護制度はどうなっているのか。
- 預け入れる通貨は何なのか。
- 日本円に戻すときの為替リスクはどうなるのか。
- 途中解約はできるのか。
- 手数料はいくらかかるのか。
忙しい中でこれら全てを網羅的に調べるのは難しいかもしれませんが、もしこの営業が自分にとってメリットになるのか、ならないのかを判断しようとするならこれくらいは調べたいというのが本音です。もちろん、我々FPをうまく活用するのも一つでしょう。
ただし一番重要なのは、「金利が高い」という情報だけで何かを判断するのではなく、こうした多角的な視点で物事を考える必要があるということです。
金融庁の注意喚起
金融庁は2015年、日本に拠点のない外国銀行について、銀行ではない業者が「日本にいながら高金利の預金口座を開設できる」などと勧誘する事例があるとして注意を促しました。
そのうえで、日本にいながら日本に拠点のない外国銀行の預金口座を開設したり預金したりする場合には、外国銀行代理銀行として認可を受けた銀行で手続きをする必要があると説明しています。
また、現在の金融庁も、金融商品などの取引を行う際には、相手方の金融事業者が免許・許可・登録を受けているか確認するための「金融事業者一括検索機能」を案内しています。
もちろん、こうした注意喚起があるからといって、個別の営業案件について問題があると判断できるわけではありません。個別の案件については、個別に確認する必要があります。
ただ、「海外の高金利預金」という話が出てきたときに、金融庁がどのような点を注意しているのかを知っておくことには意味があります。
新しい金融商品=怪しいと決めつける必要はない
何か新しい金融商品を見つけたときに、最初から「怪しい」と決めつける必要はありません。反対に、「銀行だから大丈夫」「金利が高いからお得」と考える必要もありません。
- まず事実を調べる
- そのうえで、自分にとって必要なのかを考える。
この順番でよいと思います。
- 金融庁の資料を読む。
- 銀行の公式資料を見る。
- 現地の金融当局の情報を確認する。
- 契約条件を読む。
- 税務上の扱いを確認する。
- 必要であれば専門家にも確認する。
こうして情報を集めていくと、最初に見えていた「高金利」という数字とは別の景色が見えてきます。専門家を活用するのは効率的ですが、一度はこの工程を自分で経験してみるのも大切なことだと私は考えています。
海外預金でも税金の確認が必要
意外と見落とされやすいのが税金です。国税庁は、日本国外で支払われる預金等の利子のように、日本国内で源泉徴収されないものについては利子所得として扱い、申告する必要があると案内しています。
つまり、「銀行に預けて利息を受け取るだけだから、日本の預金と同じだろう」と単純に考えることはできません。
海外の金融商品を検討するときには、運用そのものだけでなく、税金まで含めて手取りを考える必要があります。
「わからない」を放置しない
弊社は独立系FPなので、金融商品を紹介することを仕事としていません。
一方、
- お客様にとって必要なものなのか。
- どんなリスクがあるのか。
- 他の選択肢と比べてどうなのか。
- そして、そのお金を使ってどんな生活を実現したいのか。
こうしたことを一緒に考えて、意思決定のお手伝いをするのが我々の仕事です。
世の中には、魅力的に見える金融商品がたくさんあります。だからこそ、「何%増えるのか」だけを見るのではなく、「なぜその条件が成立しているのか」を知ることが大切です。
「よくわからないけど、なんか増えるらしい」そんな商品にご自身のお金を預けたくはないですよね。
「分からないものは、分からないまま買わない。」
これは海外預金に限らず、投資でも保険でも不動産でも同じです。
もし、お金や資産運用について「これは自分に必要なのだろうか」「この提案をどう考えればよいのだろう」と迷うことがあれば、公式LINEからご相談ください。
個別の商品をおすすめすることを目的とするのではなく、今の状況を整理して、どんな選択肢があるのかを一緒に考えます。
お金のことは、分からないまま決めなくても大丈夫です。
まず情報を集めて、納得してから決めていきましょう。
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